京都市の南に位置する京都府宇治市。大阪・京都・奈良への通勤や通学に便利な街として人気が高まっています。この記事では宇治市で注文住宅を建てる時にかかる費用や、その目安、住宅補助金、減税などについてご紹介します。
FP こみなみ 様
https://fpk2017.jp/
FP Woman『女性のための「お金」と「人生」に効くコラム』をはじめ、ライフプランニングや医療などの領域で執筆活動を行うFPライター。
著書に『アレルギーと生きる(新風舎出版賞受賞 星雲社)』、『人生の落第坊主(04年版文藝春秋ベストエッセイ集 文春文庫)』などがある。
国土交通省「令和元年度住宅市場動向調査」によると、新築注文住宅にかかるお金は平均 4,615 万円(土地代込み)。しかし、注文住宅を建てる時に必要なお金は購入費用だけではありません。
まず、注文住宅を「購入する」「維持する」「メンテナンス」の3つのシーンで必要なお金について見ていきましょう。
注文住宅を建てる時に利用できる「すまい給付金」「地域型住宅グリーン化事業」「次世代住宅ポイント制度」や、リフォームする時に利用できる「長期優良リフォーム補助金」「省エネ改修(断熱リノベ)補助金」など、住宅関連の補助金はたくさんありますが、ここでは宇治市の補助金と減税制度をみていきましょう。(いずれも着工前に申請が必要です)
家を建てる時の印紙税・不動産取得税・登録免許税の軽減や、所得税の住宅ローン控除、リフォーム時の住宅ローン控除など、住宅関連の減税制度は多いですが、宇治市は家を維持するのに必要な固定資産税減免制度が充実しています。
補助金や減税制度のほかに、耐震等級3の住宅を建てると地震保険料を50%にできる制度があります。
住宅ローンを組む際に選べる金利タイプには大きく分けて2種類あり、返済期間中、定期的に金利が見直される「変動金利」と、借入当初の金利が返済完了まで変わらない「固定金利」があります。
「変動金利」は「固定金利」に比べ金利が低めに設定されており、今後金利の上昇がない場合は引き続き低金利での支払いができるので、毎月の返済額を抑えることができます。返済期間が短い場合におすすめです。
「固定金利」は金利に変動がないため、毎月の支払い額と支払い総額が変わらないという点が魅力。「変動金利」と比べ金利は高めに設定されていますが、家計の収支計画が見えやすく、家族のライフプランが立てやすいというメリットがあります。
「フラット35」は固定金利タイプの住宅ローンで、借り入れの期間が35年と決まっているもの。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携をして取り扱っており、金利のパーセンテージは金融機関によって異なります。
高性能な住宅取得を支援する「フラット35S」は、高断熱・高気密の省エネ仕様、耐震等級2または3、バリアフリー仕様である長期優良住宅建築に認定された住宅が対象となり、通常のフラット35と比べ借入金利が少ないおトクなプランです。
また長期優良住宅を取得する場合、さらに借入期間が長い「フラット50」の住宅ローンを組むこともできます。条件は認定長期優良住宅であることと、フラット35(新築住宅)の技術基準に適合していることです。
30年以上も支払う住宅ローン。それと同時期にかかるお金「教育費」と「リフォーム費用」についても考えてみましょう。
注文住宅を建てるにはさまざまな費用がかかりますが、収入によって借りられる住宅資金が変わってきます。
そこで、フラット35の「ローンシミュレーション」を使って、年収別に、どのくらいの金額が借りられるのか、目安を計算してみましょう。
https://www.flat35.com/simulation/sim1.html
ここでは金利2.0%、元利均等返済、返済期間35年、ボーナス払いなしを条件として、目安になる可能借入金額、それに頭金3割程度を差し引いた借入金に対する月々の返済額を概算してみましょう。(端数は切り捨てで計算しています)
借入金額の目安は2,264万円ですが、目安の借入金額に対し、頭金を3割程度用意します。希望借入額を1,500万円とすると、返済額が毎月7.5 万円で35年間ローンを支払います。
目安の借入額:4,402万円に対し、頭金を3割程度準備。希望借入額を3,000万円とすると、返済額が毎月10万円、ローンの支払期間は35年です。
目安の借入額:6,163万円、頭金を3割程度準備して希望借入金額を4,300万円とすると、毎月の返済額は14.3万円。
なお、住居費の家計費に占める割合は、25%以下が望ましいと言われています。
融資手数料・消費税・諸費用を含めると、ある程度の自己資金が必要で、物件価格の2、3割が望ましいとされています。頭金の有無で購入できる家の価格は変わってきます。両親から資金を援助してもらえるなら「住宅取得等資金の非課税制度」を活用しましょう。
子供が生まれて大学に行くまでの資金についても考えておく必要があるでしょう。1年あたりの教育費の目安として、文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果」をまとめました。
教育の種類 | 金額 |
公立幼稚園 | 223,647円 |
私立幼稚園 | 527,916円 |
公立小学校 | 321,281円 |
私立小学校 | 1,598,691円 |
公立中学校 | 488,397円 |
私立中学校 | 1,406,433円 |
公立高等学校 | 457,380円 |
私立高等学校 | 969,911円 |
公立大学(初年度授業料等) | 932,519円 |
私立大学(初年度授業料等) | 1,336,033円 |
(文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」「国公私立大学の授業料等の推移」より筆者作成)
なお、教育費には、学校教育費以外に塾代やスポーツ教室などの習い事、大学の下宿代や交通費などによって、総額は大きく違ってきます。
幼児教育・保育の無償化や、高等学校修学支援金制度など教育費の負担を軽減する制度は数多く、大学進学についても、大学独自の奨学金や、日本学生支援機構の奨学金(貸与型・給付型)など、さまざまな教育ローンがあるので、上手に活用しましょう。
注文住宅を建てて10年ほどたつと、換気扇や給湯器などの住宅設備が故障し、いつ、家のどの部分でトラブルが発生するかはわかりません。
リクルート・大阪ガス・NTT西日本・NTT東日本などが出資するリフォーム会社紹介サイト「ホームプロ」の「相場シミュレーター」はトイレやバスルーム、キッチンなどリフォームしたい部分の費用と相場を調べることができるので便利です。
https://www.homepro.jp/hiyou/simulator/
京都府宇治市で注文住宅を建てる時に使える補助金や減税制度はたくさんあるので、それらをうまく活用してください。
(この記事は2020年6月27日時点の情報を元に書かれています。制度や補助金などの内容が変更される可能性もありますので、利用時には最新情報をご確認ください)